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   曹洞宗
    笑顔

 「幸せだから笑うのではない。笑うから幸せなのだ」
十九世紀から二十世紀にかけて活躍したフランスの哲学者アランは、そう述べまし
た。一般的には逆に考えますよね。「幸せだから笑うのだ。幸せでもないのに笑え
ないよ」なんて。
 しかし二十一世紀初頭、ドイツ・マグデブルグ大学のミュンテ博士たちの実験
により、このアランの言葉が裏付けられることとなりました。彼の報告によると、
(強性的にせよ)笑顔で物事を眺めると、笑顔でない場合と比べて、幸福感が増し
たそうです。とても興味深い結果です。
 そういえば、如来像や菩薩像の微笑をアルカイック・スマイルと言いますが、道
元さまも「ただまさにやわらかなる容顔をもて一切に向かうべし」とおっしゃって
います。私たちも穏やかな笑顔で過ごしましょう。

    三蔵法師

 三蔵法師というと、「西遊記」に登場するお坊さんを想像しますね。でも「三蔵
法師」とは一般名詞で、固有名詞ではないのですよ。仏教の経蔵・律蔵・論蔵の
「三蔵」に精通したお坊さん(法師)のことを指すのです。
 三蔵法師として有名なのは、まず西域出身の鳩摩羅什(くまらじゅう・クマーラ
ジーヴァ)三蔵法師。彼は中国に渡り、サンスクリット語で説かれたたくさんの仏
典を漢訳しました。
 逆に中国からインドに渡ったお坊さんとして法顕(ほっけん)三蔵法師、そして有
名な玄奘(げんじょう)三蔵法師。彼こそが「西遊記」の主人公としても有名になり
ました。また、海路からインドに渡った義浄(きじょう)三蔵法師という強者もいま
した。
 道元さまも海を渡り、中国で仏道を学ばれましたね。旅の危険を顧みず、一途に
仏法を求められた高僧のおかげで、いま手にしている経典があるのですね。

    お粥の功徳

 禅の修行道場では毎朝お粥をいただきます。早朝からの座禅や読経を済ませてか
らいただくお粥は五臓六腑にしみわたります。特に寒い朝にいただくお粥は、凍り
ついた全身を柔らかくときほぐしてくれて格別です。鼻水をすすりながら、生きて
いる喜びを感じられます。
お釈迦さまもお粥を推奨されていて、お粥には十の功徳があると言われています。
 @長生きするA容姿がよくなるB心地よくなるC力が湧いてくるD弁才を与える
E飢えを除くF渇きを除くG風(vata)を調えるH下腹を浄化するI未消化の残留物
を除く
                  律『大品』 (拙訳)
 <道元さまも『赴粥飯法』(ふしゅくはんぽう)のなかでお粥の功徳をあげられて
いますよ。
 みなさんも時々はお粥にしてみませんか。十の功徳と一緒にいただきましょう!