「幸せだから笑うのではない。笑うから幸せなのだ」
十九世紀から二十世紀にかけて活躍したフランスの哲学者アランは、そう述べまし
た。一般的には逆に考えますよね。「幸せだから笑うのだ。幸せでもないのに笑え
ないよ」なんて。
しかし二十一世紀初頭、ドイツ・マグデブルグ大学のミュンテ博士たちの実験
により、このアランの言葉が裏付けられることとなりました。彼の報告によると、
(強性的にせよ)笑顔で物事を眺めると、笑顔でない場合と比べて、幸福感が増し
たそうです。とても興味深い結果です。
そういえば、如来像や菩薩像の微笑をアルカイック・スマイルと言いますが、道
元さまも「ただまさにやわらかなる容顔をもて一切に向かうべし」とおっしゃって
います。私たちも穏やかな笑顔で過ごしましょう。
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